映画『アジール・セッション』舞台あいさつにアオキタクト監督、根本正勝さん、平野綾さんが登壇!

左から根本正勝さん、アオキタクト監督、平野綾さん アニメーション映画『アジール・セッション』が7月25日、テアトル新宿にて公開された。『アジール・セッション』はバンドマンであったアオキタクト監督が、2005年に一人で制作した3DCGアニメ『ハルオ』の世界観を継承した物語で、遠未来の社会を舞台に、家出少女ヒヨコとストリートチルドレンのアキラをメインに“いまだ、何者でもない”10代の葛藤を描いた3DCGアニメーション。
 原作・映像・音楽など作品の骨格となる部分はアオキ監督が担当し、背景制作はCGを学ぶ大学・専門学校生が数十名集結し制作されている。

 公開初日の7月25日にはアオキ監督、アキラ役の根本正勝さん、ヒヨコ役の平野綾さんによる舞台あいさつが行われたのでコメントをご紹介しよう!

公開初日の感想をお聞かせください。
アオキタクト監督アオキ監督

色々な思いが沸いてきて言葉が出ないですね~。紙切れ一枚に最初のプロットを書いたときは、僕はただのフリーターだったんですよ。そこから少しずつ人が集まってきて、力を貸してくれる人がいて、最後に映画館で公開できるところまで来て、本当にありがとうございます、としか言葉にならないですね。

根本正勝さん
本日は『アジール・セッション』お越し頂きありがとうございます。こんなに多くの皆さんに作品を見ていただけて、今は胸がいっぱいです。

平野綾さん
この作品では、お芝居の面で色々挑戦したことがあるので、たくさんの方に見ていただけるのが本当に嬉しいです。

演じる上で気をつけたことはありますか?
根本正勝さん根本さん

本格的な声優をやるのは初めてに近くて、僕的に挑戦ばかりでした。でも共演者の方に支えられて、やっていくうちに本当に楽しくなってきました。映画や舞台でやる役ですと、知的な役であったり冷静な役であったりというのが多いのですが、今回のアキラのような直情的で思っていることを素直に吐き出すようなストレートな役を演じたことがなかったので、アキラを通してそういった役を演じられたことを嬉しく思っています。

アオキ監督
序盤は大変そうにしているなと思って、普通は録音中に監督がブースに入ることはあまりなのですが、失礼かとは思ったのですが、段取りを組んでいる空き時間に直接色々とお話させていただきました。それから徐々に良い感じになってきて、最終的にはアキラになってくれていたので満足しております。

根本さん
正直嬉しいですね。ブースの中に入ってこられて「アキラは上品じゃない。まくし立てる感じが欲しい」と、監督に直にレクチャーして貰ったお陰でアキラに近づけたのかなと思っているので、本当に感謝しています。

平野さん
最初に監督のほうから「いわゆる声優芝居をしないでください」と言われました。普通は独り言の台詞も独り言だけれどもちゃんとマイクに乗るように(音を拾うように)喋らなければいけないんですけども、そういうことは一切考えないでくださいと。独り言は本当に独り言で言ってくださいと仰っていたので、それをやるにあたってどの程度までやって良いのか分からず、やりながら「これはやりすぎなんじゃないか」と色々心配しながら演じました。

アオキ監督
それは音響監督にも言われました。「これ以上下げたらマイクが拾えないんで」って。

平野さん
だからこそヒヨコが一人でブツブツ喋っているシーンは、上手く表現できていたんじゃないかなと思います。そういう意味でも色々なことに挑戦させていただきました。

普段のアフレコとは違ったことってありますか?
平野綾さん平野さん

家で台本とビデオを照らし合わせてチェックをしているときに、見慣れない絵のタッチだったので「これに声をあてるんだ」と最初はどう声を合わせれば良いのか戸惑いました。アキラとの掛け合いもテンポが良くて収録中ちょっとでも見逃すと、カットがどんどん先に進んでしまうので、その辺で迷惑をかけてしまいました。

アオキ監督
平野さんは持って生まれた声がやっぱり主役の声なんですよね。平野さんでお願いしますということになったとき、身も蓋もないことを言ってしまえば、他の作品で平野さんが演じているキャラクターが喋っているように聞こえてしまったら僕として監督として大負けになってしまうので(笑)、“何があっても今まで持っているものは全部使わないでいただきたい”というエゴがありまして、オープニングの一言二言のところを20回くらいやり直して、物凄く低く抑えたトーンで喋ってくださいというオーダーに対して柔軟に対応して、ヒヨコにちゃんとなってしまうというのが凄いなと思いました。

完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
根本さん

僕も最初はCGということで映像に違和感があったのですが、自分が声を当てているというのもあり、完成した映像は違和感なく一気に作品に引きずり込まれました。
現実にはアジールスタジアムはないですけども、この先あるかもしれないですし、その時は僕もアキラになろうかなと(笑)思いました。

平野さん
収録時は最後のシーンが未完成だったので、どういう風に大観衆や街並みが表現されるのか分からなかったんです。演じるときも「スタジアム広いな」「ここは空間が抜けているな」とか想像しながら演じるのですが、絵と声が当てはまった時に、距離や空間の奥行きがちゃんとあっているか、CGということもあり気がかりでした。でも実際に出来上がったものを観て最後のシーンも凄いことになっているなと、自分で演じていながらも観ていて凄く楽しかったです。

これからご覧になる方へメッセージをお願いいたします。
左から根本正勝さん、アオキタクト監督、平野綾さん平野さん

アキラとヒヨコは本当だったら絶対に友達にならないというか、会っても相容れない存在なんじゃないかなと思うんですけど、それが合わさって、ぶつかり合って、お互いの良いところをどんどん自分の中に取り入れて変わっていくという心の変化が描かれています。何度観ても良いところを発見できる作品だと思いますので、何度も観ていただいて「こういう映画があるんだよ」って広めていただいて、ずっと楽しんでいただければと思います。ありがとうございました。

根本さん
物事をはっきりYESと言えるアキラだったり、NOと言えないヒヨコであったり、どちらのキャラクターに感情移入しても構いませんので、皆さんが感じる『アジール・セッション』を楽しんでいただいて、遠い未来僕とアキラになりましょう(会場笑)、ありがとうございました。

アオキ監督
一言というのが凄く難しくて、その一言が見つかれば紙に書いて張っておけばいい話で、それが出来ないから映画にしました。映画でしか伝えられないし、それを受け止めていただくには観ていただくしかないのですが、『アジール・セッション』は「何かしなきゃいけないな」とぼんやり思っている人の背中を蹴っ飛ばしたいと思って作りました。2回3回と観たときにもっと面白くなる映画を心がけましたので、ぜひ何度も見ていただきたいと思います。

アオキタクト監督 根本正勝さん 平野綾さん

キービジュアル<ストーリー>
いまだ、何者でもない、きみへ
文明は発展をとめ、衰退した遠未来の社会。

刑事の父と二人暮らしで美大への道を目指す高校生ヒヨコ。
亡き母の描いた絵を勝手に処分した父親に反発し家出をする。行くあてのないヒヨコが迷い込んだのは、人々がテントで日々を生きるスタジアム“アジール”。ヒヨコは、そこでストリートチルドレンのリーダー・アキラと出会う。

利権のため、町の美化を名目にスタジアムの取り壊しを図る警察。スタジアムの住人達は取り壊し反対運動としてストリートカルチャーのイベント“アジール・セッション”を計画する。メインパフォーマーとして、スタジアムの巨大キャンバスに絵を描くことになったアキラはヒヨコから絵の描き方を学ぶことに。

“アジール・セッション”準備が大詰めにさしかかるとき、警察は強硬手段でスタジアムの取り壊しを開始する。。。

 
場面カット 場面カット 場面カット

(C)Tact Aoki / BROSTA TV /CoMix Wave Films

<リンク>
アジール・セッション:公式サイト



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