6月13日公開!『宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-』 押井守氏・西久保瑞穂監督オフィシャルインタビュー到着!

キービジュアル巨匠押井守を原案・脚本に迎え『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、『イノセンス』、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』を制作した押井組のメンバーが結集!いま宮本武蔵がスクリーンに蘇える!

不敗の剣聖にして精神の修養者、求道者のそれは後世の虚像なのか・・・押井守が次に描くのは孤高の剣人、宮本武蔵。武蔵の記した「五輪書」を軸に真実の宮本武蔵像に肉迫する作品。武蔵の数々のライバルとの“華々しい合戦”と“大身を目指した悲哀なる人生”をハイクオリティなアニメーションで描き、中世の騎士道、馬上剣法、「五輪書」の極意を全くの新解釈で表現する“押井節”満載の全く新しいエンターテイメント作品。

監督は『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95)『イノセンス』(04)『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(08)など数々の押井作品の演出を手がけ、その信頼も厚い西久保瑞穂。キャラクターデザインには『キル・ビル Vol.1』(03)でアニメーションパートの監督をつとめ、『サムライチャンプルー』(04)など常に斬新なキャラクターを描き続ける中澤一登など豪華なスタッフが結集。

今回、西久保瑞穂監督・押井守氏のコメントが届いたのでご紹介しよう!

【西久保瑞穂監督インタビュー】
Q1.今回の企画の立ち上がり及び監督になられた経緯をお教えください。また押井さんとどんな打ち合わせをしましたか?
この作品が始まる原点としてドキュメント風のアニメを作りたいという話があったんです。打合せの中で押井が「武蔵ってどう?」と、ただ武蔵と言う題材は色々なメディアでやりつくしてる感があったからどうしようって考えてた。そこで、押井から新しい着眼点として馬をキーワードにしてやりたいと提案があり、確かに武蔵と馬の組み合わせは今までないなと。それで、押井が脚本を書くから、後は任せたいと。

Q2.今回の劇場版にあたってのこだわり、または演出等で工夫された点、苦労された点をお聞かせください。
この作品のポイントはウンチクと剣劇アクション。ウンチクの部分とドラマの部分とのコントラストをいかにつけるかというのが、課題だと思って。そういう点ではウンチクの3D+資料映像パートとドラマの2Dパート。今回は様々な表現手法を使ってますけど、難しかったのはウンチクをどう理解してもらえるか、語り、資料、実演、シュミレーション、等々いろんな手法を使って試してます。また2Dアニメーションでは、馬ですね。主題となるところだけに馬をしっかりアニメーションで表現すること。これはなかなかハードルが高かった。

Q3.表現の上で特に意識されたのはどういった部分でしょうか。
この作品でキーになるのは、やっぱり、ウンチク部分とドラマ部分とのギャップ。かわいいウンチクに対して、リアルな剣劇、このミスマッチを大事にしました。
気に入っているキャラは宮本武蔵似の3DCGキャラクター、犬飼喜一(仮)ですかね。ウンチクをずっと言っているだけの親父なんだけど、なんだか可愛い。それに対して2Dのほうは、中澤さんの格好いいキャラクターでリアルさとケレン、それを追求しました。

Q4.この作品で、とくに観て欲しいと思うのはどの部分でしょうか。
3DCGと資料・現地映像によって武蔵の剣の本質に迫り、2Dアニメーションによってケレン味ある武蔵の剣劇を。色んな表現手法によって武蔵の剣の奥にあるものに迫っています。その剣劇には浪曲師国本武春さんが、映像に合わせてニューウェイブな浪曲を入れてます。ファンク調ありロック調有りととても面白い仕上がりとなってます。押井のウンチク劇と僕の音楽劇との融合も楽しんでください。

Q5.見所をまじえ、読者へのメッセージをお願いします。
剣豪・宮本武蔵の剣の本質、そして新たな姿を知って欲しいですね。
武蔵はなぜ巌流小次郎のことを生涯語らなかったのか。そんな武蔵の心情を感じてもらえば嬉しいですね。


【押井守インタビュー】
今回の映画『宮本武蔵』のテーマについてですが、日本人なら誰でも知っている宮本武蔵を、取り上げた理由から教えてください。
写真:押井守そもそもの始まりは、海外のある会社から発注があったんです。侍の番組を作るんだけれど、何をやればいいのかそれを含めて考えてくれという話だった。そこで宮本武蔵でいいかという話から始まったんです。
それが回り回って、今回の映画になったわけです。僕個人は、昔から宮本武蔵に興味があった。今回の企画が通ったので、これまで自分なりに集めてきたものや、読んできたものをまとめてやってみようと思ったんです。

押井監督は、世間は宮本武蔵の真実を誤解していると話されていますが、誤解というのは、具体的にはどういうことなのでしょうか。
実際に歴史上に存在した宮本武蔵という人間は、基本的に違うもので、そちらの方に興味があった。
剣なら剣の道、一芸に秀でることで精神的な高みに立ったとか、一芸を究めることで宗教性を帯びているとか、僕はないと思っている。
僕が武蔵に興味を持ったのはその逆なんですよ。あの人は一種の万能人だったと僕は思っている。

今回、押井監督は原案と脚本だけで、監督は西久保監督に任せています。西久保監督に、そこに期待するものは何ですか。
ちゃんと作ってくれということでしょう。ちゃんとクオリティーも分かってくれる。絶対にいい映画を作るはずだと。映画としてちゃんとしたものに仕上げてくれるという、信頼感がある。そんな監督はなかなかいない。
他人の手に渡すということは伝わらない部分は当然あるけれども、自分が考えなかったことも入ってくる。監督の仕事はそれが必要なんだよね。

西久保監督は、最初に貰った脚本が既に決定稿だったのですごく驚いたそうですが。
原稿用紙に決定稿って書いちゃえばいいんだよ。なぜ決定稿と書くかと言ったら、直したくないから。初稿なんて書いたら、じゃあ、2稿、3稿を書いてよという話になるじゃない。決定稿と書いた以上は直さないということを表明しているだけだよ。
実際にその通りにやるかどうかは監督の問題、プロデューサーの問題だから。

本当に脚本、原案を書かれただけで、あとはノータッチで今日まで来ているということですね。
相談されたこともない。
西久保は相談するような男じゃない。だから任せられる。いちいち聞いてくるような監督だったら組まない。
西久保がどういうふうに映画化したのか、僕もこれから見るところ。楽しみにしています。非常に力のある監督だから、映画としてはたぶんちゃんと作ったと思うのでね。

押井監督の持っている宮本武蔵のイメージはどのようなものですか。
おそらく知的な人だったと思う。ただ、闘争本能の固まり。知性的な人間であることとは矛盾しないもん。僕はたぶんそうだったと思う。絶対に頭のいい人だし。
友達になりたいかというと、ちょっとそれは分からないね。

今回の作品は『立喰師』に連なる虚構の歴史にも見えますが、こういったスタイルはこれからもまだ続けられるのですか?
映画監督って基本的に嘘をつくのが商売で、どうやって騙そうか、いつも考えているわけだよね。嘘をつくのは大好きだしさ、これってどこまで本当なんだろうという話ができれば最高だと思っている。
僕は、いつも言うんだけど、冗談を言っているときってわりと本気なんだよって。まじめな顔をしているときは、だいたい嘘をついているはずだよって。
これからもいろいろなことを言おうと思っているよ。
 
ただ宮本武蔵に関しては、嘘をつく必要がなかったんだよね。なぜかといったら、嘘のほうが世間で信用されているから。本当のことを言えばたぶん、嘘のように見えるんです。その素材によるんです。
『宮本武蔵』の場合は、かたちは似ているかもしれないけど逆だよ。あの中で言っていることはほとんど本当のことです。本当のことが嘘のように聞こえるとしたら、それは世間に流布されていることに、要するにだまされている。


『宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-』 
キービジュアル【原案・脚本】押井守
【原作】Production I.G
【監督】西久保瑞穂
【キャラクターデザイン】中澤一登
【作画監督】黄瀬和哉
【美術監督】平田秀一
【色彩設計】遊佐久美子
【撮影】江面久
【CGIアニメーション】遠藤誠
【編集】植松淳一
【音響】鶴岡陽太
【浪曲】国本武春
【主題歌】泉谷しげる「生まれ落ちた者へ」(ポニーキャニオン/6月17日発売)

2009年6月13日 テアトル新宿、テアトル梅田、名古屋ゴールド劇場 にて公開!

(C)2009 Production I.G/宮本武蔵製作委員会

<リンク>
6月13日公開 原案・脚本 押井守 映画「宮本武蔵 ―双剣に馳せる夢―」公式サイト



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