新海誠監督の『彼女と彼女の猫』を新たな制作陣でTVアニメ化!『彼女と彼女の猫 -Everything Flows-』キャストコメントをご紹介!
|『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』など、新海誠監督が描く美麗な映像や切なくも温かいストーリーは観る人を魅了してきた。その新海監督が2000年に自主制作した、モノクロショートアニメーション『彼女と彼女の猫』が、新たな制作陣の手によりTVアニメ『彼女と彼女の猫 -Everything Flows-』と題し2016年3月4日よりTOKYO MX他で放送を開始する。
今回出演キャストの浅沼晋太郎さん(黒猫)、花澤香菜さん(彼女)、平松晶子さん(母親)、矢作紗友里さん(友人)に作品についてお聞きしたのでコメントをご紹介しよう。
役が決まっての感想をお聞かせください。
浅沼晋太郎さん
今年で声優業を初めて10周年になるのですが、そのデビュー作で花澤さんとは主人公とヒロインという役割で出演をさせていただいて、しかも黒猫がでてくる作品だったのでとても縁を感じました。10年の節目に再びこうしてメインでお芝居をさせていただけることが光栄です。
花澤香菜さん
新海さんの『彼女と彼女の猫』は観ていたので、役が決まった時は凄く嬉しかったのですが、原作の「彼女はほとんどしゃべらないので、キャスティングがあるということは喋るのかしら?どういう風に喋るのかな?と楽しみになりました。
平松晶子さん
役が決まって光栄で嬉しく思いました。『彼女と彼女の猫』は役が決まってから観たのですが、その前に、新海さんの作品とは知らずに大成建設のCMを観ていて「CMなのにめっちゃ気合が入ってるな、こんな綺麗なフィルムができるなんて凄いな、自分も関われたら良いな」と思っていたので、新海さんが原作の作品に出られるということで本当に嬉しかったです。
矢作紗友里さん
オーディションではなくお話しをいただいたのですが、最初に友人役ということを聞いて、私が演じる役は意地悪な役が多いのでどんな嫌がらせをするのかと思ったのですが(一同笑)、小さい時から彼女のお友達でいつもそばにいて応援・心配しているという凄く優しいはつらつとした女の子の役だったので嬉しかったです(笑)。原作も拝見したのですが、友人は影も形もないので台本をもらうまではドキドキしていました。
花澤さんは『言の葉の庭』で新海監督の作品に出演されましたが、監督はどんな方ですか?
花澤さん
新海監督とは『言の葉の庭』で初めてご一緒させていただいたのですが、その時はじっくり時間と愛情をかけて作品作りをされる方なんだなと思いました。顔合わせを含めると何度も打ち合わせがあったうえでアフレコに臨むという、普段のアニメではないような形で関わらせてい頂いたので凄く印象に残っています。あと新海さんは誰からも好かれるような凄く優しい方で、その優しい感じがフィルムにもにじみ出ているなと思いました。
坂本監督の印象はいかがですか?
浅沼さん
物凄く腰の低い方ですね。初監督作品ということで緊張されているということでしたが、逆にそれを聞いて僕らも襟を正さなくてはいけないなと思いながら演じさせていただきました。
矢作さん
凄くニコニコしていて、私達に話しかけてくれて優しい方なんだなと見ているだけでもそれが伝わってくる方です。
平松さん
接し方も含めて作品に対して物凄く真摯に取り組まれている方なんだなと、言葉や佇まいなどから伝わってくる感じでした。収録が終わってから監督からありがとうございましたとわざわざご挨拶に来てくださったのですが、私達も作品に関わることができて嬉しいなという思いだったので、そのお互いの思いが作品にいい形で反映されていること願います。
新海監督のショートフィルムと今回のアニメ、それぞれの作品の魅力は?
矢作さん
新海さんのショートフィルムは猫のモノローグと生活音や環境音、そして映像で見せていて、登場するのも彼女と猫だけで素敵な作品だなと思ったのですが、今回は彼女と彼女を取り巻く人たちと何かがあって、猫がどういうふうに彼女を見ていたのかがわかりやすく描かれていて、新たなものとして皆さんに観ていただけるところが魅力だと思います。
浅沼さん
『秒速5センチメートル』など新海監督の作品を観ていると凄く温度を感じるフィルムだなと思っていて、良い意味で今回は新海イズムを薄くして、温かいだけではない別の感覚を教えてくれる作品になっているのではないかなと思います。
平松さん
少ない言葉の間にあるものがフィルムにつめ込まれていて、どちらの作品も行間を感じられるフィルムという感じがしました。ショートフィルムの方は柔らかい優しいセピアやモノトーンで、今回の作品は猫から見た世界だけじゃなくて、人の世界も交わっている感じがしたので、その分カラフルになっている印象を受けました。
花澤さん
新海さんの作品は観る人それぞれの背景や猫との距離感とか色々想像する余地があるのですが、今回の作品は猫との出会いから、彼女の小さい時の境遇を含めてわかりやすいものになっていますし、成長過程での複雑な気持ちなど色々なドラマが盛り込まれています。年齢的なものも違っていて新海さんのほうはOLで今回のほうは就職するかしないかのまだちょっと幼さのある子が主人公になっているので、どう共感してもらえるかが楽しみです。
作品を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
平松さん
何気ない日常の中にある幸せの欠片に気がつけるのではないかなと思います。刹那の中でこそそれは物凄く愛しいものなんだみたいな片鱗に触れてもらいたいなと思いました。
矢作さん
人生は上手くいくことばかりじゃなくて、躓いたりすることもたくさんあると思うのですが、作品を観ていただけたら元気になれると思うのでぜひ観ていただきたいです。親元を離れて一人暮らしをしている人は観終わった後にお母さんに電話1本していただいて、お母さんにこの作品を教えてお母さんにも観ていただきたいです。
花澤さん
アフレコは4本いっぺんに録ってしまったので、この先この世界観に触れられる機会があるのかどうか、名残惜しい気持ちでいっぱいなのですが、そんな気持ちになってしまうくらい心の浄化される素敵な作品になっていると思います。辛いと思った時に観て頂くのも良いですし、猫のもふもふ加減に癒やされてもいいと思いますので、ぜひ身構えずに観て頂けたらと思います。
浅沼さん
猫に対してだったりお母さんにだったり友達に対してだったり、何かに対して優しくなれるアニメだと思います。大きな事件が起こるアニメではないので、それがとてもリアルだと思いますし、自分の世界もこういことなのかもしれないと気づくきっかけみたいなものがいくつもあるアニメだと思います。短いので何度も観ていただけたら嬉しいです。
<放送情報>
TOKYO MXにて、2016年3月4日 毎週金曜日23:00~23:30
BS11にて、2016年3月6日 毎週日曜日25:00~25:30
ウルトラスーパーアニメタイム枠「コミックス・ウェーブ・フィルムオムニバス」にて
<キャスト>
彼女:花澤香菜
黒猫:浅沼晋太郎
友人:矢作紗友里
母親:平松晶子 ほか
<スタッフ>
監督:坂本一也
原作:新海誠
シリーズ構成・脚本:永川成基
キャラクターデザイン・総作画監督:海島千本
美術監督:田中孝典
編集:グッド・ジョブ
音響監督:鶴岡陽太
音響製作:楽音舎
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:ライデンフィルム京都スタジオ
製作:彼女と彼女の猫EF製作委員会